近年、オメガ3がブームを迎えています。魚油から製造されたDHA/EPAサプリを筆頭に、亜麻仁油などオメガ3オイルなどがスーパーで気軽に手に入るようになりました。
その一方で、ブームに便乗して製造された低品質の製品が多く流通していることも事実です。特に国産サプリやオメガ3オイルにその傾向が多くみられる印象です。また、高品質の製品でも業者の取り扱い方次第で劣化が進行してしまうのがオメガ3製品の難しいところでしょう。
最近では、オメガ3サプリなどの服用が健康を害すると言った一部の研究論文が登場し、それらを基に記されたオメガ3批判を展開した書籍も販売されています。また、Youtube等でもオメガ3への危険性を警告する専門家の動画が増えてきました。
私がオメガ3サプリを推す理由は、自身で服用を続けて効果を実感した為
私は数年前、深部静脈血栓症を発症しました。リクシアナやイグザレルトと言った血栓溶解剤、抗血液凝固剤を3年間服用した結果、Dダイマーなどの数値が正常に戻り、血栓が消えて完治しました。
しかし、完治後も同じ姿勢を1時間、2時間と続けていると、血栓が出来た個所がピクピクと頻繁に痙攣し、痛みとまではいかなくても違和感が生じました。完治したものの、この気持ち悪い感覚に暫く悩まされ続けました。
ある日、青魚の魚油に含まれるDHA/EPAに血液をサラサラにする効果があり、血栓症予防にも効果があるというネット記事を目にしました。
それまでサプリ類を一切服用したことが無かった(健康に無関心だった)のですが、海外通販サイト "iHerb" で高容量DHA/EPAサプリ(1ジェルで1500㎎含有)を購入し、半信半疑でしたが服用を開始しました。
1日1ジェルを毎朝、服用し続けた結果。1週間も経たないうちに、あの嫌な違和感は綺麗に消えました。プラセボか実際の効果か、それは私には断言できません。1つ言えることは、食生活の改善など他のことには一切取り組んでいない状況で、症状が消えたということです。
ということは、高確率でサプリの効果だと私は考えている訳でございます。
オメガ3脂肪酸のサプリ、油の種類
オメガ3(n-3系脂肪酸)には大きく分けて、魚介類から摂取できる動物性(DHA/EPAが含まれるタイプ)と、クルミなどナッツ類、アマニ、エゴマなどの種子に含まれる植物性(αリノレン酸が含まれるタイプ)が存在します。
また、近年人気のグラスフェッドバターやグラスフェッドギーにも植物性オメガ3が豊富に含まれています。
その1:植物性オメガ3オイル
オメガ3で代表的な製品と言えば、アマニ油、えごま油でしょう。サプリや、画像のような食用油も存在します。今では一般的なスーパーで手に入るようになりました。但し偽物が多いと聞きますし、本物でも品質劣化が起こっている物も多いです。
本物と偽物の見分け方としては、本物は油の色が黄色味がかっており、少し独特な香りや味がします。遮光瓶に入っているか否かも重要です。日光のみならず、店内のLED照明を浴び続けるだけでオメガ3オイルは急激に劣化・酸化します。
また、店内の冷暗所で保管されているか否かも重要です。温度が高い倉庫などで放置されていた品は、未開封でも酸化が進行します。生臭い風味が強い場合、中で酸化が進行している可能性が考えられます。
よって、自宅などで個人保管されていた品をフリマアプリで安価で購入することはリスクが伴います。高級スーパーなどで購入することが最も安全と考えられます。
上記の画像は、成城石井で販売されている海外輸入品のアマニ油です。分厚い遮光瓶に入れられ、輸送ルートや輸送時の保管状態もサイトで公開されている為、安心して購入できるオメガ3油ではないかと個人的に考えています。
個人的に信用できないオメガ3油はこちら。一般的なスーパーで最も多く見かけるタイプでしょう。価格も安価です。実際に購入して食べてみた感想は、無色、無味無臭。サラダ油に近い印象でアマニ油独特の風味がありません。個人的に非常に怪しい商品と思います。
また、パッケージの保存方法欄には、高温多湿を避ける程度のことしか記載されていません。成城石井の商品は冷蔵保存が明記されています。それが本来のオメガ3油の保存方法です。さすが品質より利益優先体質の日清様、高確率でニ〇モノかな?🤔
グラスフェッドバター、グラスフェッドギーにもオメガ3が豊富に含まれています。通常のバターは飽和脂肪酸が多く、適量接種は問題なくても多く摂取することで動脈硬化や心血管系疾患の原因になるとも言われています。
一方のグラスフェッドバターは、オメガ3を筆頭に、脂溶性ビタミン、酪酸などが多く含まれており、適量の摂取で血流改善効果などが望めるという研究も出ています。
植物性オメガ3ではDHA/EPAを摂取できない?
昨年、気になる最新研究論文が上がってきました。従来、植物性オメガ3はDHA/EPAの前駆体の役割を果たし、摂取した油の一部がDHA/EPAに変換されるという説が定着していました。
ところが最新研究で、植物性オメガ3はDHA/EPAに変換されないという結果が報告されています。つまり植物性ではDHA/EPAは摂取できない、という説です。これが確定的か不確定的か現時点では判断がつきません。
一方で、牧草のみで育った牛のミルクから作られた牛乳やグラスフェッドバターを日々、主食にしているモンゴルの遊牧民たちは魚を一切食べませんが、体内から多くのDHA/EPAが検出されたという調査結果も報告されています。
ということは、植物性オメガ3からDHA/EPAに変換されると考えることが出来るはずです。仮に変換されないとしても、植物性オメガ3に価値が無いかと言えばそのようなことは全く無いということです。
質の良い植物性オメガ3油を摂取することは、魚油よりも高感度CRP値を優位に下げる研究結果が出ています。これは心筋梗塞などの原因となる動脈硬化症を予防し、慢性炎症を抑えることで大腸癌など結腸がんリスクを下げることに繋がる訳です。
よって、金銭的に余裕がある方は植物性オメガ3を積極的に摂取することで様々な疾患を予防することに繋がると考えられます。高感度CRP値を下げるということは、肥満予防やダイエットにも役立つと考えられます😃
その2:動物性オメガ3
動物性オメガ3は、主に魚介類に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)と呼ばれるオメガ3脂肪酸の1種です。多くの人にとって、オメガ3と言えばこちらを想像すると思います。サントリーのセサミン+DHA/EPAのCMの影響でしょう苦笑。
こちらは魚の脂身の部分に多く含まれており、刺身であればマグロのトロ、鯖、ハマチ、サンマ、イワシなどを食べることで多く摂取できます。干物でもシシャモ、青魚全般で多く摂取可能です。逆にビンナガマグロや、本マグロでも赤身の部分には殆ど含まれていないとされています。
植物性オメガ3では摂取が不可能とされるDHA/EPAには、宣伝でお馴染み血液をサラサラにする効果だけではなく、血清インスリンを正常化させる効果や、血中グルタチオン濃度を大幅に増加させることが研究から判明しています。つまり、植物性オメガ3よりも強力な抗酸化作用が期待できると考えられます。
血液脳関門を唯一突破するDHA
脳の成長、機能維持と向上に必須となる脂質を運ぶルートは、現時点の科学で判明していることは、脳血管と脳細胞の間で物質交換を遮る血液脳関門しか存在していない、ということです。
血液脳関門は、脳の神経機能を維持する為のいわばフィルターで、薬剤などを含めた殆どの物質の通過をブロックします。DHAは、その血液脳関門を突破できる唯一の脂肪酸です。
よって、脳を構成する脂肪(材料)として欠かせない物質であり、ニューロン(神経細胞)の機能維持にも必須と言われている訳です。DHAの摂取が、脳機能(認知機能、学習機能、記憶力等)の改善と向上に非常に有効であると言われる理由も、この為です。
マウスを用いた実験で、エサにDHAを含むグループと含まないグループに分けて経過を観察したものが報告されています。
エサにDHAを含まないグループは、MFSD2A遺伝子タンパクが欠損(つまりDHAが欠乏している状態)し、明らかな神経疾患を発症したという結果が出ています。例えば脳の萎縮、ニューロンの減少、運動障害、認知障害などが現れたという結果が出ています。
まだまだ不明なことが多い脳とDHAの関係ですが、DHAの摂取が脳機能向上や認知機能低下防止に大きく役立つことはほぼ確定と考えて良いと思います。
オメガ3批判派の意見
科学的に一定の効果が示されているオメガ3脂肪酸ですが、最近、否定する意見が非常に多くなった印象を受けます。その多くが、オメガ3脂肪酸は酸化が早く、食品にせよサプリ・油にせよ、既に一定の劣化(酸化)が進行しており体に毒である指摘です。
これについては、最近の研究論文で(サプリメントに限定した研究で)体に悪影響という結果が出たという報告が上がっています。それを基に報道機関、書籍、栄養学等の専門家が批判を展開しているといった印象ですが、全てをチェックしている訳ではない為、はっきりとしたことは分かりません。
例えば、英国左派系活字メディアのガーディアン紙ネット版にも、以下のような記事が掲載されています。
多くの一般的なオメガ3魚油サプリメントは「腐敗している」
独自の検査により、市場に出回っている多くの魚油サプリ製品には酸化した油が使用されており、その腐敗は香料によって誤魔化されていることが判明した
60のブランドの魚油サプリメントを検査したところ、10個に1個以上が腐敗しており、半数近くが推奨上限値を下回っていることが、独立機関による独自検査で明らかとなった。
純度、ラベル表示の正確さ、栄養価の基準に基づいてビタミンやサプリメントを分析するLabdoor社が数年にわたり実施したテストでは、世界中で販売されている一般的な米国製ブランドのオメガ3魚油サプリメントを、国際基準に基づいて測定した。
結果、一部のフィッシュオイルは、推奨値の11倍の値を記録した。腐敗は、魚油が酸化することで発生する。魚油の酸化は、強い生臭さと腐敗臭を伴うことがある。
生臭い風味を抑える為に、腐敗した魚油サプリの殆どには香料が添加されて誤魔化されていた。2015年以降の世界的な研究から、平均20%の魚油サプリ製品に酸化が見られるという結果が出た。
オークランド大学の研究員で、魚油の健康への影響を研究しているベン・アルバート博士は、「魚油サプリを買いに行くと、少なくとも5分の1の確率で酸化した魚油を手に入れることになる」と述べている。
2014年から2018年にかけて販売された製品を対象に実施したLabdoorの分析によると、ウォルマートやAmazonなどで販売されている「Carlson Labs」と「Puritan's Pride」というブランド名の魚油は腐敗度合いが推奨限界値を大幅に上回った。
その他のブランドでは、「Oceanblue」「Nature's Answer」が制限値を超えている。Labdoorがテストした全製品の半数は魚油オイル規格団体GOEDの制限値を超えていた。
酸化は、多価不飽和脂肪酸を含むすべての油において起こる正常なプロセスであり、中でも魚油は特に酸化しやすく、熱、空気、光に晒されることでより速く酸化する。サプリメントの素材(魚)の供給経路が長く、適切な予防措置がとられていないことが多く、ゆえに酸化しやすいとされている。
魚油サプリの殆どは、ペルー沖で獲れるアンチョビの脂肪酸を使用している。GOEDによると年間漁獲量は400万トンを超える。主にサプリメント用に養殖され、抽出されたアンチョビオイルは推定38,000トンであるという。
オメガ3の専門家であり、魚油会社「Omega3 Innovations」の共同設立者であるボー・マルティンセン氏は、「酸化を防ぐには、魚が獲れた時から鮮度を保つ努力をする必要があるのです」と語る。
腐敗した魚油が有害かどうか、詳しいことはまだ科学的に分かっていない。散発的な研究により、高度に酸化した魚油カプセルがコレステロール値に悪影響を及ぼす可能性があることが示されている。また、多くの動物を用いた実験では毒性があることが示された。
有害かどうかは別として、腐敗したオイルは新鮮な魚油よりも効果が低いだろうとマルティンセン氏は指摘する。彼は、高度に酸化したオイルの化学組成の変化が、その効果を低下させる可能性があると指摘している。繰り返しになるが、研究は現段階で決定的な結果を示していない。
・・・ということで、記事中にある通り、安価なオメガ3魚油サプリはアンチョビやタラが使用され、産地などは表記されていません。アンチョビは記事中にある通りペルー産の養殖、タラは近年、養殖が本格化したノルウェー産タラを使用している場合が多いです。
養殖魚のリスクは、私が日頃から記述している通りです。狭い養殖場でのストレスによる免疫低下と感染症や病気を回避する為、様々な抗生物質、ホルモン剤が餌に混ぜられています。その魚油を摂取するということは、魚の健康メリットよりも薬剤によるデメリットのほうが大きいと考えるべきです。
👆例えば、これ安いですよね。オメガ3オイルが1000㎎含有で700円弱です。オメガ3サプリではかなり安価です。では、成分はどうでしょうか。
👆メンハーデンは米国ではメジャーなニシン科の魚で天然です。アンチョビはどこで獲れたものか記載されておりませんが100%養殖でしょう。
👆では、別メーカーの安価なオメガ3サプリはどうでしょう。
👆何の魚を使っているかすら書いていないやないかーい!😱
如何でしょうか。DHA/EPAサプリに限らず、サプリを購入する場合は食品と同じく原材料を必ずチェックする必要があります。特にサプリは、使用している酵素などの違いによってバイオアベイラビリティ自体が大きく変わります。安価な商品ほど要注意です。
続いて、国産で最も有名なサントリー「DHA&EPA+セサミンEX」はどうでしょうか。見てみましょう。
👆お前もやっぱり書いてないやないかーい!😱
この「国内製造」という表記に注意してください。小麦粉や蕎麦、その他の製品も同様ですが、外国産の原材料を国内工場で製造した場合「国内製造」と表記することが可能になります。繰り返しますが「国内製造」とは「外国産の原材料を使用」と考えてください。
つまり、サントリーのサプリは海外で獲れた謎の魚を使用しており、天然・養殖に関して不明であり、酸化度合いについても全く不明であると言えます。あと、DHA300mg, EPA100mgでオメガ3脂肪酸400mgです。
オメガ3は1日推奨量1000mgで、出来れば倍ほどの摂取が望ましい。また、バイオアベイラビリティを考慮するとサントリーサプリは80~120mg程度しか実際には活性化されていない。よって無意味で無駄なゴ☆ミとしか・・・これで1ヵ月6000円超とか🤢
では、続いて私が普段から愛用している「クリルオイル」はどうでしょうか。ここからは今現在、流行っている魚油サプリの「酸化論」に対する私の反論です。
オメガ3批判派に対する私の反論とクリルオイル
クリル(Euphausia superba)とは、南極海域に生息する小さな甲殻類、ナンキョクオキアミのことを言います。
クリルオイルとは、ナンキョクオキアミから抽出された天然由来のオメガ3オイルを指します。従来の魚油がトリグリセリド(トリグリセライド)、つまり中性脂肪と同じ成分のDHA/EPAであるのに対し、クリルオイルはリン脂質という違いがあります。
細胞膜の構成を思い出してください。リン脂質の二重構造ですよね。つまり、魚由来のDHA/EPAよりもクリルオイルは吸収率が高いのです。
また、オキアミは赤い色をしています。これは強力な抗酸化作用があるアスタキサンチンを含む為です。つまり、クリルオイルは魚油サプリと比較して酸化しにくい性質を持つことが、Foodstyle21等の専門書籍でも記載されています。
では、まず最初に、私が日頃から愛飲し、大切な人にも服用してもらっていたクリルオイルを紹介しましょう。
👆普段は4000円近くするけど今日は1829円やん!買っとこかな!😲
👆ノルウェーの水産バイオテクノロジー企業アーケル・バイオマリン社製クリルオイルを使用。原材料はナンキョクオキアミ(Euphausia superba)です。ティラピアはソフトジェルの材料みたいですね。
科学的根拠なきオメガ3批判に影響される前に、冷静に知識を叩き込むべし
クリルオイルのサプリは比較的新しく、利点は科学的にまだ不明確である為、近年、一部の専門家がその潜在的な危険性を強調しようとしている節があります。
また、オメガ3=魚油サプリ、或いは魚(刺身、塩干等)という認識で批判を展開する専門家が多過ぎます。クリルオイルの存在を認知していないか、或いは知識に乏しく魚油と同類と考えているか。
サプリメントが酸化に至るプロセスも、製造メーカーだけではなく、流通業者、購入者自身の杜撰な管理など様々な原因が挙げられるにも関わらず、ただ酸化するからよろしくないの一点張りで詳しく解説していない人が多い印象です。
また、オメガ3の効果効能に対する批判の大半は科学的ではなく、マーケティングに基づいた見解や、誤った科学(例えば栄養学に偏り過ぎて視野が狭い感情的意見等)であることを理解してください。
特に、私が推奨するクリルオイルとその商品に関連する危険性について現時点で判明していることは、高温多湿環境での不適切な保管状況、オキアミの質、アレルギー、薬物相互作用に起因するものだけです。
また、米国FDAは、全てのクリルオイル製品を販売する前にGRAS(Generally Recognized as Safe)基準を満たすことを義務づけました。魚油から製造されたオメガ3サプリと比較して、より高い安全性が業者に課せられていることを頭の片隅に留めておいてください。
海洋汚染による重金属類の問題は?
また、ある栄養学の専門家は、オメガ3サプリや食用の魚には、重金属類など汚染物質やダイオキシンが含まれている為、魚に関連する製品や食品はお勧めしない、肉を食え、と衝撃の発言をしておりました。「カーニボア・コード」のポール・サラディーノ博士かな?
大型魚以外は、汚染物質について心配する必要は無いという科学的な検証結果が出ている他、日頃からデトックスを意識しておくことで、これらの問題は十分に回避できるのではないでしょうか。魚を食べることを否定すること自体がナンセンスだと私は思います。
さらに言えば、クリルオイルサプリメントには、ダイオキシンや重金属類は殆ど含まれていないことが検査で判明しています。オキアミは食物連鎖の最下層に位置する、寿命の短い小さな生物です。
オキアミは短い生涯故、ダイオキシンや重金属類を体に蓄積しません。蓄積するだけの生命期間がありません。そして殆どのクリルオイルサプリ製造企業は、重金属毒性についてWHOと環境保護庁によって定められた厳しい評価基準を設定しています。
クリルオイルの酸化と腐敗について
クリルオイルにも含まれるオメガ3脂肪酸が批判されている最大の理由は、非常に酸化しやすい性質を持っている為でしょう。サプリメントが酸素と接触すると、電子が失われて腐敗が生じます。魚油の場合(特に気温が高い部屋に放置など不適切に保管された場合)、一般的に酸化・腐敗化する可能性があります。
しかし、クリルオイルの場合、アスタキサンチン(抗酸化物質)が含まれており、酸化の危険は少ないという研究結果が近年、多く出てきています。アスタキサンチンは、常温でも酸化が進むのを防いでくれます。また、クリルオイルには酸化を抑制するビタミンEも含まれています。
よって、仮にクリルオイルが酸化する場合は、サプリのアスタキサンチン含有量(mg)に影響すると推測されます。低品質で含有量量が少ないサプリは酸化すると考えられます。
加えて、今現在、多くの企業は、クリルオイルサプリを出荷する前に腐敗検査を実施します。腐敗度を測定し「TOTOX」と呼ばれる検査数値としてパッケージに記載されます。TOTOX値は魚油やクリルオイルの鮮度を示すものとして海外製品では普通に表示されています。無法地帯である国産サプリは恐らく表示がないでしょう。
優良企業は、さらに最終処理後にテストを繰り返し、オメガ3の品質を低下させるカプセルの酸化発生を確認します。TOTOXスコアは26以下でなければなりませんが、殆どの企業はこれを大幅に下回ります。
上で紹介したガーディアン紙では、殆どの企業がスコア24前後で基準値以上だと誤った記述をしています。また、ガーディアン紙の記事は2015年前後の調査を基に記しています。今現在は基準がより厳しくなり、企業の管理体制や品質の向上に伴い、スコアが低くなっている(つまり高品質化している)ことも、ここで記載しておきます。
また、米国における全てのクリルオイル製品は、純度と正確さを証明する為に「分析証明書」を常に公開する必要があります。
クリルオイルの危険性や酸化・腐敗の懸念は、殆ど不要で批判は的外れと考えるべきでしょう。実際、クリルオイルは魚油に比べて酸化や腐敗、毒素の蓄積の影響を受けにくいと近年の研究で判明しているのです。
オメガ3を批判するならば、これらの知識を頭に叩き込んだ上で、一括りに批判するのではなく、種類別に批判を展開すべきです。特にクリルオイルに言及した批判はほぼ目にしません。全て「オメガ3」「DHA/EPA」と一括りにした批判です。
それは植物性か、動物性か、クルミか、アマニ油か、魚油か、クリルオイルか、刺身や塩干か。何を指して批判しているのか、その辺りを明確にすべきではないでっしゃろか。
あと、オメガ3を批判しつつ刺身を推す人が割と多い印象ですが、刺身の盛り合わせは添加物や次亜塩素酸水で洗っている物が大半と聞きます。刺身自体も常に酸化が進行しています。それを防ぐ為に、もっと裏側を言えば、単品で売れ残り余った刺身を、盛り合わせにする際に次亜塩素酸水で・・・という話をよく耳にしますがね🙄
批判をすることは簡単です。また、手軽に注目を集めやすい手法でもあります。批判する側はまあアレとして、私たち情報を得る側も安易な批判に乗せられることが無いように、常に情報をアップデートしておく必要があると言えるでしょう。
次回は、クリルオイルに秘められた可能性について、2022年秋の最新研究で分かり始めてきた様々な効果を紹介したいと思います。書き過ぎて疲れた。5時間ぶっ通しで書いたうえに校閲もクソもなく一発投稿やけん、変な日本語や文章が破綻していても堪忍してちょんまげ😋
あと、魚油にせよクリルオイルにせよ、摂取する時は食後にして、食事に卵を1個食べると脳への吸収率が格段にアップするだよ。卵黄に含まれるリゾホスファチジルコリンがDHAと結合することで脳関門をよりスムーズに突破していくのです。
その②へ続く
参考文献
血液脳関門を通過できる2つのルート | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
月刊 FOOD Style21 10月号 特集 血管の科学~血管強化・サラサラ血流から血糖値改善まで~ | 食品化学新聞社